2013年度ベスト・アルバム(さすがに最終回・日本編その他)

●前回書いた通り、昨年度の日本の音楽のベスト5を書いてこのシリーズは終了。あとはまた来年度。

『BLUE THOUGHT』
TwiGy al Salaam

 一昨日ケータイをアイフォンに換えたんだけど、それまではいわゆるガラケーで、その「ガラ」ってのは別にダリの奥さんではなくてガラパゴスのガラなんだが(って誰でも知ってるか<苦笑>)、このツイギーの最新作は正にガラパゴス的進化/深化を遂げたアルバム。元々『続・悪名』の“Quiet Storm”を嚆矢とした、ツイギーの官能ラップの側面に特にヤラレっぱなしだった私にとっては究極の作品。世界のどこにもこんなラップをする人はいない。

『GOLDEN TIME』
RIP SLYME

 ポップスとしてのラップ、ってことで言うとこれは極まった作品。ポップなのにカッコ悪い側面がほぼない。リップは相変わらず絶好調。
 というだけではベスト5に選ばないのだが、ランナーの気持ちを歌った“Run with...”がよく出来ていたこともあってランクイン。その曲のおかげでラン中によく聴いた。メンバーに誰かランナーがいるのかな。

『Flying Saucer』
Crazy Ken Band

 ランナーの曲と言えば、『ZERO』には"湾岸線”というランナー向け名曲を提供していたCKB。あれはホント、走りながら聴くとアガります。
 で、前作『イタリアン・ガーデン』が私の好みにはもうひとつ合わなかったのだけど、最新作はガッチリフィット。これならやっぱり一生CKBについてくよ、と間違いなく言えるアルバム。やっぱりCKBは夏や海のことを歌うと一際良いなあ、と再確認。

『Pop Station』
Nona Reeves

 ここ15年くらい、日本のフェイヴァリット・バンドと言えばCKBとノーナなのだけど、昨年度はそのふたつが充実したアルバムを出してくれた。
 ノーナの前作『Go』は、それまで「ザ・ベストテン」基準に焦点を合わせていたノーナが始めて「全米トップ40」基準で作ったアルバムだったと思う。洋楽モードってことね。そして『Pop Station』は、洋・邦の両方を無理なく併せ持ったアルバムになっている。いろんなシチュエーションで聴いて、どこでも合うという意味ではノーナ史上最高かな。
 とか言っている間にもうすぐ新作も出る。本作同様、きっとまた最新の最高傑作になりそう。


『星がみちる』
星野みちる

 アイドルのCDで一枚。昔、私のバンドのエンジニアで、そういうのに詳しいKくん推奨ということで聴いてみたらホント良かった。今のアイドル・ポップスは、何か二郎ラーメンみたいでちょっとツライんだけど、これはラーメンじゃなくて蕎麦ですね。

●音楽以外のジャンルでも少し。

●映画で面白かったのは『最後のマイ・ウェイ』。ポップ・ミュージックの最前線にいるスターならではのヒリヒリした感覚で全編駆け抜けるのがたまらなく良かった。90年代に小沢を見ていた時の気持ちを思い出しました、一郎、健二両方の意味で。

プライヴェートはランニング三昧だった分、読書量がかなり落ちてしまった。去年のベスト本も『ボク達のB級アーカイブ』というもので、これを「読書」と呼ぶのはちょっとためらわれる気もするけれど。ただ、これやっぱりタイトル通り、判る人だけにはものすごく判る本。これ見ながら服のことを考えるのが、ホント楽しかった。神は細部に宿る、ってことを再確認させてくれます。

●ではまた。次はもっと気軽に書こうと思っています、ひとつお付き合いの程を。